はったつれじでんす

中の人はグレーアスペ×ADHD混合型です。"れじでんす(レジデンス)"とは住宅という意味で、ブログタイトルの【はったつれじでんす】は、このブログが、発達障害当事者やその周囲の方の拠り所となることを願ってつけたものです。発達障害は脳機能の凸凹と言われていますが、時としてそれが恵まれた才能として開花します。そんな、発達障害という優れた武器を使って現代社会を力強く生き抜くための情報を日々発信しています。時には発達特有の想像性や独創性を活かしたユニークで面白い記事も書いていきます。

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ドメスティック・バイオレンス(DV)とストーキング行為について

ドメスティック・バイオレンス(DV)に該当する行為


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ドメスティック・バイオレンスには、殴る蹴るなどの身体的暴力のほかに、性行為の強要(レイプ)、避妊の拒否、中絶の強要・拒否、などの性的虐待、暴言や恫喝、脅迫、無視、行動の監視、服装・髪型などの強要、異常な嫉妬などの心理的・社会的虐待、生活費をわたさない、給料をすべて搾取するなどの経済的虐待なもがあります。

 

犯罪心理学(越智啓太著, サイエンス社)より一部抜粋

 

DVが起こる原因(代表的なもの3つ)

DVが起こる原因は複雑です。ケースごとに様々な要素が絡み合ってるので一概にはこれだと断定できるものでもないですけど、学術的には大きく3つ挙げられています。

 

ジェンダーステレオタイプ・・・ジェンダーとは、社会的な意味での男性女性という性役割のことで、ステレオタイプとは、「〇〇とは△△である」とか「〜はこうあるべきだ」というような固定化された考え方のことです。

 

例えば「男性は外で働いて、女性は家に居るべきである」というような考え方がそうです。ジェンダーステレオタイプ的な見方が全てDVに繋がるわけではないですが

 

この考え方が行き過ぎると「男性が女性よりも優れている」というような優生思想に無意識レベルで陥りやすくなります。DVが起きる場合にはこの無意識レベルの段階にまで考え方が落とし込まれているせいもあります。

 

他にも、自分の劣等感を埋め合わせる材料としてステレオタイプ的な考え方が使われている場合もあります。

 

・個人の性格特性・・・対等な人間関係を築くことが苦手(困難)で支配・従属関係でばかり物事を捉えてしまいがちな人が衝動的にDVを起こしてしまう傾向にあります。

 

DV加害者の中にはパーソナリティ障害(人格障害)の疑いがある人も多くいます。

 

他にも、ジェンダーステレオタイプの考え方とも共通しますが、劣等感を抱えやすい性格の人や繊細な感覚を持ってる人が自分自身を型にはめた振る舞いをしようとしてDVに発展することも少なくないです。

 

・社会構造の問題・・・これは主に収入や待遇といった社会的な格差が原因となっているという考え方です。

 

これはジェンダーステレオタイプの見方とも深い関係にあります。男性が活躍しやすい社会なので、必然的に収入面も含めた男女の待遇格差が生じますが、収入が少ない女性が結婚すると男性側に生活面で依存してしまいがちになるので、DVが起こってもなかなか離婚できずに関係が長期化してしまいやすくなります。

 

ただし、収入面の格差がDVを"助長する要因にはなる"ので改善の余地はあるにしても、社会運搬の効率の面から考えて、収入面以外で男性が優先されやすい社会構造というのは決して悪いことではないと僕個人的には思います。

 

ドメスティック・バイオレンスへの対処法

日本においては2001年に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が施行されていて、身体的な暴力に関してのみですが、生命や身体に危害を与えるような危険性の高いDV行為に対して加害者への接近禁止・退去命令が出せるようになっています。

 

アメリカでは、もともとDVが発生しやすい文化・社会的な背景もあり日本よりも早くDVに対する対処法を検討してきた経緯があります。

 

ある研究では、DVには警察の介入が効果的であるということが示されました。暴力性・危険性の高いDVには逮捕や刑罰を加えると再犯率が下がるという結果が得られたことから、DVに対しては積極的に警察が介入するようになりました。

 

僕個人的には、DVは一つ一つの家庭内で起こるものであって、社会的な側面よりはむしろ個人の心理的な側面が大きく影響していると思っていて、ベタですが、最終的には相手のことを思いやる心があるのかどうかに尽きると思います。

 

親密な関係性でも閉鎖的になると自分の抱えている汚い本音というものが表に出てきてしまいやすくなりますが、親しき仲にも礼儀ありで、相手に対して心配りができるようになるとDVも起こらなくなるのではないかな。

 

ストーキング行為について

ストーキングは悪質なつきまとい行為のことです。ストーキング行為はハラスメントレベル(嫌がらせ程度)であればどこでも起こり得るけど、最悪の場合殺人事件にまで発展することがあるのでかなり注意が必要です。

 

ストーキングは一般的には男性から女性へのものがほとんどで、統計的には見知った仲の男女関係のもつれから起こる場合が多い傾向にあります。

 

今ではつきまといと判断されただけで接近禁止命令が出されたり訴えられることもよくあることです。

 

ここだけの話ですが、僕自身も若気の至りでストーキング行為したことありますが、まあ当時も気分が良いものではなく、今振り返ってみても黒歴史です(笑)

 

訴えられなくてよかった(笑)

(一体、僕は歴史に何個の黒ズミを作っているのでしょう。今度検証してみたいです)

 

現状のストーカーへの対処法

 

以前からストーキング行為についてはハラスメント(単なる嫌がらせ)程度にしか捉えられておらず、警察もストーカーに対して特に厳しく対応するということはしていなかったのだそうです。

 

ですがストーキングから殺人など凶悪犯罪にまで至るケースが増えてきたことから厳罰化されるようになっています。

 

日本においては、桶川女子大生殺害事件という事件がきっかけで「ストーカー規制法(正式名:ストーカー行為等の規則等に関する法律)」という法律が作られました。

 

🔶ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)

 

【警告】

第四条 警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、つきまとい等をされたとして当該つきまとい等に係る警告を求める者の申出を受けた場合において、当該申出に係る前条の規定に違反する行為があり、かつ、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、更に反復して当該行為を、してはならない旨を警告することができる。

(以下略)

 

【禁止命令等】

第五条 公安委員会は、警告を受けた者が当該警告に従わずに当該警告に係る第三条の規定に違反する行為をした場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を命ずることができる。

一 更に反復して当該行為をしてはならないこと。

ニ 更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項。

(以下略)

 

犯罪心理学(越智啓太著, サイエンス社)より抜粋

 

被害者側も悪いのでしょうか?

よく、つきまとわれる側も悪いんじゃないの?と言われることがあるけど、僕は被害者側が悪いということはほとんど無いと感じています。

 

当たり前ですけどね。そのために法律も作られてるし警察もいますから。

 

ストーキング行為に限った話でも無いですけど、被害者は文字通り被害を受けています。

 

加害者側が正当防衛で行ったことならまだしも、ほとんどの場合、事件になるほどの出来事というのは加害者が一方的な自分の気持ちだけを優先させた結果起こるものです。

 

本来であれば事件が起こった時点で加害者側が100%悪いとなるのが当然だと思います。

 

が!その上で少し検討しておきたいこともあります。

 

犯罪それ自体は既成事実なので当然のこと社会のルールに従って処罰を受ける必要はありますが

 

加害者も人間なので、どうしても事件を起こさざるを得なかったという事情があるケースもちらほら見受けられます。

 

情状酌量とか執行猶予とか。

 

ストーキング行為はほとんどの場合、面識がない通り魔的な犯行以外、顔見知り以上の間柄で起こりますので、加害者と被害者との間には何らかの事情が絡んでいるということはすぐに理解できると思います。

 

これが厄介なところで、相手との関係性が深くなるほど簡単には割り切れないような込み入った事情も出てきやすいのですね。

 

特に男女関係だと「気持ち・感情」が絡むのは必然ですが、なんせ心自体が目に見えないので対処の仕方が難しいのですが、その割には法律で規制して罰則も厳しくするというごく当たり前の対応になっちゃいます。

 

これじゃあ何もかも後手後手に回らざるを得ません。

 

僕は、人の感情は"ナマモノ(raw)"だと思っています。

 

ドメスティック・バイオレンスのところでも話しましたが、被害を少な目にするには、とにかく人の気持ちや感情をなんとかしないといけません。

 

アンガーマネジメントとか心理カウンセリングとかストレスコーピングとか。心理的なトリートメントも必須。

 

ということで、より具体的な解決方法については別の記事で書きますのでお楽しみに。