【コラム】ID(知的障害/知的発達障害)について解説します!
日本では、発達障害といえばASDとADHD、LSDに大別されるものですが、米国精神医学会が刊行しているDSMでは、知的障害も神経発達障害というカテゴリーでASDなどと一緒の括りですので、ここでは知的障害について取り上げていきます。
発達障害と知的障害がどのように繋がっているのかを解説します!
知的障害は、発達期※に生じ、概念的・社会的および実用的な領域における知的機能と適応機能の双方の明らかな制約によって特徴づけられる能力障害です。
※発達期:18歳までの時期
知的障害の診断
知的障害は、全般的知能の障害と、日常の適応機能の障害によって特徴づけられます。
知的機能は、一般的には知能検査により評価されます。
診断基準は、平均から2標準偏差より低いこととされ、IQ得点では65~75を下回る場合を指します。
適応機能は3つの領域について評価されます。3つの領域とは、概念的領域(記憶・言語・読字書字・数学的思考・問題解決・新規場面での判断など)、社会的領域(対人的コミュニケーション・社会的な判断など)、および実用的領域(セルフケア、金銭管理、行動管理など)です。適応機能は臨床評価および標準化された評価尺度により評価され、少なくとも1つの領域での障害が著しく、適切な行動をとるために継続的な支援が必要である場合に診断基準を満たします。
また、知的障害の重症度は上記3つの領域の状態によって、軽度・中等度・重度・最重度の4段階で特定されます。