自閉スペクトラム症はこんな障害です
こんにちは、まろんです。
今回は、神経発達症群に分類される自閉スペクトラム症について解説していきます。
自閉スペクトラム症とは
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害、以下、ASD)とは、社交性のなさや物事へのこだわりの強さを主特性とする神経発達症群のひとつです。
ASDは、その特性ゆえに社会での生きづらさを抱えやすく、現在これといった治療法や薬もありません。同じく神経発達症群のひとつであるADHDと比べてもASD発症率は極端に低い傾向にあるため、周りに同じような仲間を探すことも難しいことが多いです。
また、合併症を併発したり、多くは二次障害を抱える場合も多いです。これらいくつもの要因が重なって当事者の社会での生きづらさを助長していると言えます。
現在国内では10万人程度のASD患者がいるといわれており、男性が女性よりも4倍の発症しやすくなっています。
「スペクトラム」はとても重要な概念です
スペクトラム(spectrum)とは日本語で「連続体」という意味です。
この概念は、ASDないしは神経発達症群のみならずあらゆる医学的な病気の話とつながってきます。
このスペクトラムの考え方がわかるとASDについてもよくわかるようになります。
この世に存在する森羅万象すべての物事は連続しており、時空間的にも一部が欠落しているということはありえません。
自閉スペクトラム症はあらゆる疾患の集合体
自閉スペクトラム症は、あらゆる疾患の集合体といわれています。
例えば、心因性(心理的な作用がはたらく性質)により心身症のひとつとされるアレキシサイミア(失感情症)やIBS(過敏性腸症候群)を発症する方もいます。
パニック障害や愛着障害、不安神経症(不安障害)との親和性も高く、社会で不適応を起こして医療機関などを受診して初めてわかるという場合も少なくありません。
自閉スペクトラム症の人が社会で行きやすくなるためにはどうすればいいの?
いまや治療薬もいくつも開発され、理解を伴った社会的認識も広がってきたADHDと比べ、ASDについての理解や治療法の確率はまだまだ研究段階だといえます。
そのため、既存の治療法の駆使して対処療法的に治療を施していくやり方が主流になっています。
とはいっても、既存のものでも十分に辛さや生きづらさを軽減できますし、その特性を活かすように考え方を柔らかくするととてつもなく生きやすくなると思います。
現在のASDの治療は、心理療法(サイコセラピー)と薬物療法がメインで、両者を組み合わせて行うこともあります。
心理療法は認知行動療法(CBT)や暴露療法(エクスポージャー)がよく実施されています。認知行動療法は、治療効果の高さが知られている今注目の心理療法で、個人や集団で行うものがあります。
薬物療法は抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などの向精神薬の処方により行われます。
ASDも早期発見がよりよい生きやすさにつながる
その他、乳幼児健診など、小さいときにASDといった障害の疑いが認められれば、早い時期から療育や周りの環境調整をすることで障害特性の表出を最小限に抑えつつ二次障害の有病確率もかなり下げることが可能となります。
このことはASDに限ったことではありませんが、とくにASDは複数疾患の集合体だといえことを考慮すると、早め早めの対策が後々の成果に大きく結びつきます。
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